元ネタはこちら.
Long-Acting Contraceptives Recommended as First Choice for Teens (参照)
米国小児科学会からのステートメントで、10代への避妊法については、長期間作用で、再度妊娠可能な避妊法、すなわちプロゲスチン埋め込みや子宮内避妊器具(IUD)が第一選択として推奨される、とのことである.機関誌であるPediatricsに掲載されている.
- メドロキシプロゲステロンのデポ剤や、避妊パッチは「特に効果的」で「妊娠に比べて遙かに安全」であり、ゆえに10代に対して使用可能とされるべきである.(薬剤の骨への影響や、パッチの静脈血栓症との関連などにも言及あり)
- 小児科医は、避妊薬(避妊具)を処方したり、IUDの使用を患者に打診する際、必ずしも内診が必要ではないことを知っておくべきである.
- 小児医療に関わる者は、思春期の患者と避妊法の選択について、成長発達にとって適切で、個々人に応じた方法で、十分な時間をもって対応すべきである.
「妊娠するよりはマシ」という考え方に基づき、IUDやインプラントタイプのホルモン製剤を推奨しているということで、見方によっては露骨な方針だなあと思う.「貞操を守れ」と言うのはもはや時代遅れで、青少年をそうやって啓蒙主義的に導いていくのはほとんど不可能で、むしろおおっぴらにコンドームを推奨したり、ピルを勧めてみたりするようになったわけであるが、やはりコンプライアンスの問題があるんだろうと思う.コトの度に用意したり、ピルをきっちりサイクル通りに飲んだりできる思春期カップルというのは少ないのだろう.一方、若年の妊娠というのは大きな問題で、母体への負担はもちろん、こどもの成育にも多大な苦労がある.一般診療上あまり目にはしないけれど、それでも時々10代の妊娠があり、一般病院でも遭遇する.皮下への埋め込み型のホルモン製剤は、簡単に行うことができるし毎回の用意も不要だしで、効果は高いんだろう.
こういった方法もいいんだけれど、性感染症予防にはやはりコンドームに併用することが望ましいんだと思う.可能な限り両方を勧めるべきだろう.
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