Pediatrics. 2014 Nov;134(5):e1474-502. doi: 10.1542/peds.2014-2742.
診断
1a. 細気管支炎の診断および疾病重症度評価は、病歴および身体診察によって行われるべきである.(Evidence Quality: B; Recommendation Strength: Strong Recommendation)
1b. 重症化への危険因子、すなわち生後12週未満、早産の既往、循環・呼吸系疾患の存在、免疫不全などを評価するべきである.(Evidence Quality: B; Recommendation Strength: Moderate Recommendation)
1c. 細気管支炎の診断が病歴および身体診察で行われた時は、レントゲンや血液検査はルーチンには行われるべきではない.(Evidence Quality: B; Recommendation Strength: Moderate Recommendation)
治療
2. 細気管支炎の診断となった乳児または小児に、アルブテロール(またはサルブタモール)の吸入を行うべきではない.(Evidence Quality: B; Recommendation Strength: Strong Recommendation)
3. 細気管支炎の診断となった乳児または小児に、エピネフリンの吸入を行うべきではない.(Evidence Quality: B; Recommendation Strength: Strong Recommendation)
4a. 細気管支炎の診断となった乳児または小児に、救急外来において、高張生食の吸入を行うべきではない.(Evidence Quality: B; Recommendation Strength: Moderate Recommendation)
4b. 細気管支炎の診断となった乳児または小児に、入院中、高張生食の吸入を考慮しても良い.(Evidence Quality: B; Recommendation Strength: Weak Recommendation [ランダム化試験における一致しない結果])
5. いかなる状況でも、ステロイドの全身投与は行うべきではない.(Evidence Quality: A; Recommendation Strength: Moderate Recommendation)
6a. 酸素飽和度が90%以上であれば、追加の酸素吸入は行わなくても良い.(Evidence Quality: D; Recommendation Strength: Weak Recommendation [低レベルのエビデンスおよび最初の原則に基づく])
6b. 持続酸素飽和度測定は、行わなくても良い.(Evidence Quality: D; Recommendation Strength: Weak Recommendation [低レベルのエビデンスおよび最初の原則に基づく])
7. 胸部の理学療法は行うべきではない.(Evidence Quality: B; Recommendation Strength: Moderate Recommendation)
8. 同時に細菌感染が存在、ないしその可能性が強く疑われる場合を除いて、抗菌薬投与は行うべきではない.(Evidence Quality: B; Recommendation Strength: Strong Recommendation)
9. 経口での水分摂取が困難な場合は、NGチューブや経静脈的な補液を行うべきである.(Evidence Quality: X; Recommendation Strength: Strong Recommendation)
予防
10a. 在胎29週0日以上で、その他に特に既往のない児にはパリビズマブを投与すべきでない.(Evidence Quality: B; Recommendation Strength: Strong Recommendation)
10b. 在胎32週0日未満の未熟児で、少なくとも生後28日の間に21%より多くの酸素を要した児で、血行動態の異常がある心疾患や慢性肺疾患を持つ場合は、生後1年間の間パリビズマブを投与すべきである.(Evidence Quality: B; Recommendation Strength: Moderate Recommendation)
10c. パリビズマブの適応のある乳児には、RSウイルスのシーズンに最大で5ヶ月の投与(15mg/kg/dose)を行うべきである.(Evidence Quality: B; Recommendation Strength: Moderate Recommendation)
11a. すべての人々は、患者に触れる前後、患者の周囲の物に触れた後、および手袋を外した後は、手指消毒を行うべきである.(Evidence Quality: B; Recommendation Strength: Strong Recommendation)
11b. 細気管支炎の小児のケアに当たる時は、擦式アルコールによる手指消毒を行うべきである.アルコールが使用できない場合は、せっけんと流水による手指消毒をすべきである.(Evidence Quality: B; Recommendation Strength: Strong Recommendation)
12a. 細気管支炎の評価の際は、その乳児または小児のタバコの煙への曝露の有無を聴取すべきである.(Evidence Quality: C; Recommendation Strength: Moderate Recommendation)
12b. 小児の細気管支炎の評価において、保護者に対してタバコの煙や、禁煙などについて助言を与えるべきである.(Evidence Quality: B; Recommendation Strength: Strong Recommendation)
13. 呼吸器感染症の罹患率を下げるためには、少なくとも6ヶ月の完全母乳を勧めるべきである.(Evidence Quality: B; Recommendation Strength: Moderate Recommendation)
14. 臨床医および看護師は、個々人や家族に対してエビデンスに基づく細気管支炎の診断、治療および予防について教育すべきである.(Evidence Quality: C; observational studies; Recommendation Strength: Moderate Recommendation)
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