2013年1月15日火曜日

NNT


無い内定ではない.
Number Needed to Treatの略.

 「所定の治療効果を得るために,何人にその治療をする必要があるか」をあらわすもので,治療効果の強さをあらわすといってよい.10人にやって10人に効けばNNTは1だし,10人にやって1人にしか効かなければNNTは10である.

 たとえば,ある治療介入Aを行った群と行わなかった群で,生存率が以下のように違ったとする.いずれも,サンプルは1000人とする.

介入あり:12%の人が生存
すなわち,120人が生存(880人が死亡)
介入なし:10%の人が生存
すなわち,100人が生存(900人が死亡)

この介入によって生存が20人増えたことになる.1000人に対してAという介入を行い,20人の生存を増やしたということは,Aの介入による生存者を1人増やそうと思ったら,
1000/20=50(人)
への介入を行う必要がある.以上より,Aという治療は50人に行って1人が生存するものである,と評価できる.

 疫学指標をバリバリ使うなら,「絶対リスク減少 absolute risk reduction, ARR」を用いて,
NNT=1/ARR
とも書ける.(今回の場合は,ARR= 900/1000 - 880/1000 = 0.02,この逆数は50.) ARRを用いる場合は,リスクに着目するので有害事象が起きた人数をカウントしなければならないが,介入群とコントロール群でサンプルサイズが異なる場合でも用いることができる(上記の例では,サンプルサイズがいずれの群でも同じだったので,余計な考慮が不要であった).

0 件のコメント:

コメントを投稿